2026年2月19日

CES 2026現地レポート:世界の最先端に触れて見えた、フィジカルAIとモビリティの未来

By 髙橋 亮河

2026年1月、米国ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市CES(Consumer Electronics Show)2026に参加しました。本記事では、CES 2026で見えてきた世界の技術トレンド、またCESに出展していたDXC Luxoftについても、エンジニアの視点からレポートします。


CESとは ― 世界の技術トレンドが決まる場所

CESは毎年1月にラスベガスで開催される、世界最大級のテクノロジー見本市です。世界中のテクノロジー企業が集い、自動車、AI、ロボティクス、半導体、デジタルヘルスなど、分野を横断した最先端技術が一堂に会し、その年のトレンドがここから生まれるとも言われています。

2026年のCESで特に強く感じたのは、AIが「概念」から「現実世界を動かす存在」へと完全に移行したということです。


CES 2026のキーワード:
フィジカルAIとロボティクス

会場で目立っていたのが、ヒューマノイドを含む数多くのロボット展示です。単なる試作ではなく、人の動きや周囲の環境をリアルタイムに認識し、自律的に行動する――いわゆるフィジカルAIが、すでに実用フェーズに入っていることを実感させられました。自動運転もフィジカルAIの適用領域として注目を集め、多くの自動運転車両の展示があった他、自動運転の前提となるSDV(Software Defined Vehicle)関連の展示も多数ありました。

フィジカルAIを含むAIを搭載した製品が数多く展示されていましたが、AIはもはや付加機能ではなく、前提条件となっている印象でした。「AIを使うかどうか」ではなく、「AIを前提に製品やサービスをどう設計するか、どう組み込むか」が競争力を左右する時代に入ったことをはっきりと示していました。

DXC  Luxoft @CES ― 「自動車の、その先」を見せる展示

CES 2026では、DXCが擁するLuxoftもブースを出展しました。自動車領域に強みを持つLuxoftの展示のコンセプトは、「自動車の、その先へ―― 業界の未来を形づくるAI」。SDVとフィジカルAIを軸に、自動車業界だけでなく複数の産業分野にわたるモビリティの未来像を発信しました。

ブースでは、車両や二輪車などのSDV関連のソリューションに加え、フィジカルAIを象徴するロボットの展示が行われており、AIとモビリティを軸としたDXCの技術力を、直感的に伝える構成になっていました。

▲ Luxoftの来場者とじゃんけんをするロボット

印象的だったのは、ヒトの動きを認識して反応するロボットのデモです。具体的には、来場者とじゃんけんをするロボットのデモが行われていたのですが、

現実世界を認識 → AIが判断 → 物理的にアクションする

というフィジカルAIの本質を非常に分かりやすく示しており、AIが現実世界を直接動かす時代がすでに始まっていることを強く感じました。


世界のトップ企業が示す方向性

CESでは、DXC以外にも印象的な展示が数多くありました。

NVIDIAは自動運転向けのオープンソース開発プラットフォームNVIDIA alpamayoや、シミュレーション基盤NVIDIA Omniverseなど、フィジカルAIそのものよりもその要素技術の提供者としての立場を確立していたのが印象的でした。

DXC Luxoftの展示でもNVIDIAの技術を利用しており、展示されているロボットと一緒にNVIDIAのロゴが置かれていたのですが、他の企業の展示にもあらゆるところにNVIDIAのロゴが置かれており、NVIDIAは本当にどこにでも入り込んでいるということを実感しました。


SIEMENSは基調講演で「Industrial AI Revolution(産業AI革命)」を定義し、AIが蒸気機関、電力、ITといった業界に革命を起こしてきたものに続く、製造業そのものの物理法則になる未来を示す、深い示唆を受けるものでした。AIが仮想空間でシミュレーションを行い、その日の生産量をAIが状況判断して実行し、人間はそれを承認するだけというような世界が、本当に目前に迫っていると、強い現実味をもって受け止めました。



HYUNDAIのブースは、産業AI革命を体言しているように感じられるものでした。ヒューマノイドロボットAtlasなどの展示を中心に、工場や物流でヒューマノイドロボットが実際にどう活用できるかが具体的に示されており、フィジカルAIが産業の現場に入りつつあることを実感しました。


▲ HYUNDAYで展示されていたロボット

▲ Atlasの展示


技術の最前線で得た「気づき」

今回私がCESに参加したのは、単なる視察ではありません。担当している日本の製造業のお客様がCES 2026に参加されることになり、DXCが事前の情報収集や展示の見どころ整理など、参加準備の段階から現地でのアテンドまで支援を行うことになり、私はその一人として抜擢され参加しました。お客様をサポートするとともに、現地でグローバルの技術動向を直接体感し、DXCの今後のビジネス機会を探ることも、今回の目的に設定して参加しました。

CESの会場を歩く中で感じたのは、技術の進化そのもの以上に、そのスピード感です。グローバルでは、すでに「次」を見据えた議論が当たり前に行われています。そうした環境の中で、DXC Luxoftの技術が、名だたる企業と肩を並べて評価されていることを現地で実感しました。お客様にもLuxoftのブースをご覧いただき、技術力や開発体制について具体的な質問や意見交換が行われました。グローバルの現場で活躍するエンジニアのレベル感を、実感いただけたように感じています。

また、お客様と一緒に展示を回る中で、世界の技術進化のスピードと日本の置かれている立場についても、率直な議論がありました。CESでは、アメリカ、中国、インドを中心とした企業の存在感が非常に強く、日本企業の展示は限られていました。この現実に対するお客様の危機感を、私自身も強く共有することになりました。

お客様と同じ視点で展示を見て回ることで、「技術としてすごい」だけではなく、「ビジネスとしてどう価値につながるのか」という観点の重要性も、改めて認識しました。

▲ DXCのブースで、DXC CEO Raul FenandezやLuxoftのグローバルのメンバーと

世界の知見を日本へ、そして次へ

今回のCES参加を通じて得られたのは、技術情報だけではありません。世界の最先端技術を「現物」で体感した経験、お客様と同じ視点で技術を見て議論できた時間、DXC Luxoftのグローバルメンバーとの交流。これらは、日本にいるだけでは得がたい貴重な経験でした。

DXCでは、こうした知見を個人の経験に留めるのではなく、社内外へ発信し、次の取り組みに活かしています。私も、CESで見た技術や感じた潮流を、社内の全社向けミーティングや技術共有の場でレポートしました。こうした積み重ねが、DXCの技術力や提案力につながっていると感じています。

おわりに

CES 2026は、テクノロジーの未来を「予測する場」ではなく、「すでに始まっている現実を体感する場」でした。グローバル最前線の技術に触れ、実際に現地で学び、考えることができた今回の経験を、今後の技術・ビジネスの創出にしっかりと活かしていきたいと思います。




著者


髙橋 亮河(Ryoga Takahashi)
データ & AI事業部 エンジニア。2020年に新卒入社後、一貫して自動車業界のお客様を担当し、開発設計部門向けシステム運用支援に携わる。現在は、開発設計部門のDX推進支援の提案活動やプロジェクトマネジメントに加え、運用業務自動化を担うチームのリーダーとして活躍している。




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