産業:

Public Sector

場所:

パース、オーストラリア

オファリング:

Applications, Cloud

1994 年にパースで大学とのパートナーシップを軸にした革新的な教育モデルを他に先駆けて開発したオーストラリアの企業であるNavitasは、現在世界をリードする教育機関として、オーストラリア、ニュージーランド、北米、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの 31 か国にある130 以上の大学とキャンパスを結ぶ広範なネットワークを構築しています。

Navitasは毎年、高校生、志望大学への入学準備を進めている受験生、英語専門学校や職業訓練校の学生から現役の大学生や大学院生まで、7 万人以上の向学心旺盛な学習者と接しています。

教育分野に長年携わり、深い専門知識を有するNavitas は、現在および未来の学習者のために、教育の質の向上を実現する最新技術や新しい教え方・学び方の発見に情熱を注いでいます。

 

ビジネス上の課題

Navitas は、多様な学生に対応するように設計された学習機会とソリューションを活用しながら、変化するグローバル環境のニーズに適応し続けています。

Navitas は強力な IT 基盤を活用して複雑なグローバルオペレーションの運用を続けていますが、小規模なグローバルITチームがサポートする既存のオンプレミスプラットフォームは老朽化が進んでいました。オンプレミスでホスティングされていた購買と財務部門向けのアプリケーションは、間接費などの管理負担が大きく、パフォーマンスの低下や新機能へのアクセスの制限といった課題も生じていました。主要アプリケーションの災害復旧(DR)機能を強化する必要性を感じていたNavitasは、 導入しているOracle® E-Business Suite(EBS)のサポートが近く終了し、アップグレードの限定サポートオプションもなくなることを踏まえ、これを機に新しいアプローチを取ることにしました。

 

ソリューション

Navitasは、初期検討の際に複数のオプションを評価し、それぞれのコストを計算しました。SaaS モデルの導入、オンプレミスのアップグレードとその後に実施するクラウドプラットフォームへの移行、またはアップグレードと移行を同時に実行するプロジェクトなどがオプションとして検討されました。

クラウドファーストのビジネス戦略を取る場合、既存のオンプレミスの EBS ソリューションを Oracle Cloud Infrastructure(OCI)にアップグレードして移行することが最も合理的でした。AWS や Microsoft Azure と比較すると、 OCI では、安定性、サポート性、拡張性の面でより優れたプラットフォームが適切な価格帯で提供されています。また、オンプレミスやその他のクラウドベースのアプローチよりも低コストで柔軟性、信頼性、パフォーマンスの向上が可能でした。

さらに、Navitasに提示されたライセンス契約には、 同社がOCIを使用した方がオンプレミスでの運用を継続するよりもメリットがあり、 Oracle Universal Credits へのアクセスも可能にする条項が含まれていました。また同社は、 IT チームだけでサポートできるシンプルなアプローチを取る必要もありました。

Navitasが信頼を置くサービスプロバイダーである DXC Technologyの Oracleプラクティスチーム は、今回のプロジェクトのために下記の作業に取り組みました。

  • EBS とその関連アプリケーションをホストするために必要なインフラストラクチャを OCI 上に構築
  • 既存の EBS アプリケーションをオンプレミス環境から OCI 環境に移行
  • Navitas と Oracle OCI 環境間の接続を確立
  • EBS 環境を R12.1.3 から R12.2.9 にアップグレード
  • EBS 環境の DR インスタンスの構築、構成、テスト

Navitas のすべての財務アプリケーション、 EBS を使用したレポート作成とプランニング、および将来の要件が常に目的に合致するための戦略的なロードマップ作成の責任者であり、財務システム&プロセス部を統括する Ben Dansie氏は、DXCとのこれまでの関係について次のようにコメントしています。「 DXC は当社の既存の EBS 資産を管理していたので、すでに強い信頼関係ができていました。オプションを評価する際も、良き相談相手になってくれました。ですから、DXC以外の事業者を実装パートナーとしてわざわざ探す必要もありませんでした」

「社内外の有能なリソースを集めて素晴らしいチームを組むことができました。このチームは臨機応変に行動し、難局を見事に乗り越えてくれました。これほど規模の大きなプロジェクトになると、何かしらの問題が発生するものですが、今回はすべてスムーズに進みました。経験豊富なDXCチームが、どんな些細な課題も見逃さず、大きな問題になる前に迅速かつ効果的に解決してくれたおかげで、シームレスな切り替えを実現することができました」

Ben Dansie氏 Navitas グループ財務システム&プロセス部長

設計から実装まで

このプロジェクトに着手するにあたり、 DXC チームはインフラストラクチャ設計案を作成し、 OCI にどのような機能を持たせるかを明確に示し、すべての懸念点に対処しました。提案した設計案が承認されると 、DXC は Navitasチームがフルリグレッションテストを実施するサンドボックス環境に移行する前に、インフラストラクチャを構築してプロビジョニングを行いました。この時点でサードパーティ製ツールが統合され、続いて本番と同じ規模のテスト環境で全体のドライランを実施し、その後さらに本番環境のビルドを開始する前のテストラウンドをもう一度繰り返しました。

当初、本番環境の実装期間として3 日間を予定していましたが、 DXC は 想定より24 時間早く Navitas に実装を完了した本番環境を納品しました。この点について、Dansie氏 は次のように述べています。「社内外の有能なリソースを集めて素晴らしいチームを組むことができました。このチームは臨機応変に行動し、難局を見事に乗り越えてくれました。これほど規模の大きなプロジェクトになると、何かしらの問題が発生するものですが、今回はすべてスムーズに進みました。経験豊富なDXCチームが、どんな些細な課題も見逃さず、大きな問題になる前に迅速かつ効果的に解決してくれたおかげで、シームレスな切り替えを実現することができました」

 

結果とメリット

プロジェクトは当初新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けましたが、リモート対応により最終的には運用を中断することなく予定通りに完了し、予算を20%も下回るコスト効率の高いプロジェクトを実現しました。

EBS を OCI に移行することで、これまでよりも高い柔軟性、信頼性、パフォーマンスを実現した今回のソリューションは、古いアプリケーションやインフラストラクチャに関連するリスクを軽減し、エンドユーザーに非常に好評な新しい Web ベースのインターフェイスを提供しました。

クラウドインフラストラクチャが刷新された後、特に遠隔地でパフォーマンスの大幅な向上がすでに報告されています。また、オンプレミスよりもクラウドライセンスでカバーできる範囲が広がったことで、コスト削減も同時に実現できるソリューションであることも証明されました。

アップグレードされたアプリケーションは 2031 年までサポート期間が延び、以前は利用できなかった機能にもアクセスできるようになりました。

Navitasは独自のバックアップ ・リカバリ手順が定めていましたが、目標としていた時間に復旧するには不十分な内容でした。そのため、新しいソリューションにはNavitasが求めていた1時間から4時間以内の復旧を可能にするフェイルオーバー機能を備えたDR 機能が盛り込まれました。

Navitasのユーザーインターフェイスの最も重要な部分は、同社の購買部門の要求通りに改良されました。同社の購買業務は、それまでプロセスの完了に3つ~ 4つの手順または画面の切り替えが必要でしたが、改良後は最新式のポップアップウィンドウが起動し、1つの画面に必要な情報がすべて表示されるようになりました。また、テーブルやデータを移動させるオプション機能の柔軟性も向上させた結果、ユーザーがアプリケーションをそれぞれ使いやすい形式で表示させたり、利用したい機能を操作しやすくしたりできるようになりました。

Navitasは今回、Oracle Integration and Migrationを導入したことで、他のスタンドアロン型アプリケーションを EBS に統合し、データキャプチャや視覚化を容易にする新しいサービスにアクセスできるようになりました。Oracle Universal Creditsを使って新しいサービスを追加できる柔軟性もOCIのメリットであり、Navitasもその利点を活かして、銀行取引業務の効率化を図れる Oracle Integration Tool を実装しました。

また、 Navitasはこのプロジェクトでイノベーションを実現するためのプラットフォームを確実に整備することができました。その際に最も重要なのは、DXCとの緊密なパートナーシップを通じてもたらされたソートリーダーシップです。Navitasは、DXCチームに自社の希望や目指す方向性を伝え、DXCチームから返ってくる意見や助言を参考にしながら、何が実現可能かを理解し、知識を深めることができました。「当社が今回整備したプラットフォームは安定しており、イノベーションを様々な形で実現できる素晴らしい機会を与えてくれます。今回のインフラ刷新により、通常業務への影響を最小限に抑えながら、ビジネスを大きく飛躍させることができるようになります。また、以前よりも効率的に物事を前に進められる枠組みができたことについても、ワクワクしています」とDansie 氏は述べています。

「当社が今回整備したプラットフォームは安定しており、イノベーションを様々な形で実現できる素晴らしい機会を与えてくれます。今回のインフラ刷新により、通常業務への影響を最小限に抑えながら、ビジネスを大きく飛躍させることができるようになります。また、以前よりも効率的に物事を前に進められる枠組みができたことについても、ワクワクしています」

Ben Dansie氏 Navitas グループ財務システム&プロセス部長

Navitasと同じ方向でインフラ環境を強化することを検討している企業にとって、Dansie氏が語ったアドバイスは大変参考になるはずです。「当社が今回挑んだのは、大規模で複雑な変化を伴うプロジェクトでした。実際、社内にその範囲の広さや規模の大きさに懸念を示す者もいました。しかし、最適なパートナーと組めたので、5カ月間で無事完了することができました」

最後に、 Dansie 氏は次のように結論付けています。「プロジェクトを発注したクライアント側から見ても、このプロジェクトは大成功でした。DXC は、当社に提示した推奨案、プロジェクトのプランニング、リソースの手配から最終的な成果物に至るまで、申し分ない働きをしてくれました。私は20年以上も、Oracleについて精通したエンジニアと数多く仕事をしてきました。しかしその多くは、今回のプロジェクトのために集められたDXCチームのメンバーには敵わないでしょう。皆それぞれの専門分野で豊富な知識を持ち、卓越した能力を発揮する真のプロフェッショナルとしてDXCの名に恥じない活躍をしてくれました」

 

今後

DXC チームがNavitasにもたらしたベネフィットは、継続的なサポートと現在進行中の拡張プロジェクトにも繋がっています。Navitasは今後、統合機能を構築し、Oracle Enterprise Command Center(ECC)のダッシュボード機能を拡張して、レポートを可視化できるようにしたいと考えています。ECC は、適切な情報を適切なタイミングで可視化し、適切な決定を下せるように意思決定者を支援する情報主導型ナビゲーション機能をユーザーに提供するツールです。

DXC は今後もNavitasが求める独自のプロジェクトを随時提供します。たとえば、 XERO などの会計パッケージを使用する小規模な大学をスタンドアロン形式に Oracle EBS と統合させるプロジェクトもその一つで、従来環境ではこのような移行は実現できませんでした。

「当社が今回挑んだのは、大規模で複雑な変化が伴うプロジェクトでした。実際、社内にその範囲の広さや規模の大きさに懸念を示す者もいました。しかし、最適なパートナーと組めたので、5カ月間で無事完了することができました」

Ben Dansie氏 Navitas グループ財務システム&プロセス部長

Navitasは現在も DXC と、老朽化が進む既存の Hyperion Planning ソリューションに代わる新しいプランニング、照合、統合機能を備えた各種オプションの評価に共同で取り組んでいます。

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