場所:

ドイツ

サービス:

Applications

ドイツの大手航空会社であるLufthansa は、旅行者とのあらゆる接点において、その顧客体験を向上させ、ブランドの認知度を高めたいと考えていました。イノベーションを促進させるため、社外の開発者がデータをより簡単に利用できるよう、アプリケーションプログラミングインターフェイス (API) を作成し公開することにしました。DXC は、その設計および実装を担当しました。

より充実したサービスの必要性

競争が激化している航空旅行市場において、旅行サービスの向上と強化は航空会社にとって重要なビジネス推進要因です。国際航空運送協会 (IATA) によれば、2014 年には33 億人の旅行者が航空機を利用し、その市場は7,460 億USドルに上ると推定されています。
こうした背景を受け、Lufthansa はさらに革新的な旅行サービスの必要性を感じていましたが、これを社内で実行し、特定の新しい市場に対応するには、社内の開発リソースが不足していました。
ドイツの大手航空会社であるLufthansaは、拡大するこのような需要を満たすために、社外のソフトウェア開発者を利用する必要がありました。2014 年、Lufthansa の旅客部門を含むPassenger Airline グループ(SWISS 航空およびオーストリア航空を含む)の年間総収入は300 億ユーロに達し、フライト数は100 万回を超え、100 か国以上の目的地に1 億600 万人の乗客を輸送しています。
「開発者が、Lufthansa のデータおよび機能をアプリケーションに統合するには、画面から構文を解析して得たロジックを使用するか、またはLufthansa のエンタープライズIT を使用して専用アクセス権を取得する方法しかありませんでした。これには時間がかかり、アプリケーションごとに繰り返す必要もありました。」とThomas Ramscheid 氏(Lufthansa 社 ミドルウェアおよびセントラルサービス シニアマネージャー) は説明します。「長い時間のかかる複雑なプロセスのため、外部のソフトウェア会社はLufthansa の顧客向けのアプリケーションをまったく開発していませんでした。」
イノベーションハブ部門の重要な使命は、Lufthansa の旅行ビジネスを革新し、もう一度顧客中心のビジネスに戻すことでした。この部門は、将来の素晴らしい旅作りのために、デジタル化のメリットを検証および促進しています。この部門の目標は、ソーシャルコミュニティと関わりを持ち、モバイルアプリケーションの開発 ( 航空会社のコアビジネスではなく、投資リスクが高いように見える業務) を促進することです。
この目標を達成するために航空会社に必要なことは、開発者のコミュニティやそのパートナーが、航空会社のデータをより簡単に利用できるようにすることでした。

「当社は、このオープンAPI を提供するためのパートナーとしてDXC を選択しました。その理由は、当社のIT インフラストラクチャに精通していることだけでなく、航空業界のソリューションに対して、機能面および技術面で豊富な経験があったからです。そして最も重要なことは、プロジェクトを非常に短期間で提供できるということでした」

Thomas Ramscheid Lufthansa 社 ミドルウェアおよびセントラルサービス シニアマネージャー

データへの制御されたアクセス

Lufthansa は、航空業界のトレンドをつかみ、オープンなアプリケーションプログラミングインターフェイス (API) を作成することに力を注ぎました。このオープンAPI は、インターネットを通じてLufthansa のデータおよび機能を外部の開発者に公開するもので、かつLufthansa のサービスプロバイダーや社内の部署もこれを利用して社内サービスを開発できるものです。このオープンAPIは、ハイパーテキストトランスファープロトコル (HTTP) などの標準メソッドを使用するとともに、IATA 主導の新しい販売規格であるNew Distribution Capability (NDC) も考慮して、拡張マークアップ言語 (XML) を基にしています。NDC は、新しいメッセージング標準を定義するための航空会社と旅行代理店による共同の取り組みで、透明性を高め、顧客の選択肢の幅を広げることを目的としています。
「分かりやすく比較すると、90 年代は、すべての人がWeb サイトを持つ必要がありました。現在は、すべての人がオープンAPIを持つ必要があります。」とRamscheid 氏は述べています。
Lufthansa はプロジェクトを指揮することはできましたが、設計および実装を行うパートナーが必要でした。そのため、いくつものベンダーにRFP を送りました。そして、選ばれたのがDXC でした。DXC は、2007 年にLufthansa のサービス指向アーキテクチャー(SOA) のミドルウェアレイヤーを実装していたため、Lufthansa の技術的な環境をすでに詳細に理解していました。
「当社は、このオープンAPI を提供するためのパートナーとしてDXC を選択しました。その理由は、当社のIT インフラストラクチャに精通していることだけでなく、航空業界のソリューションに対して、機能面および技術面で豊富な経験があったからです。そして最も重要なことは、プロジェクトを非常に短期間で提供できるということでした。」と Ramscheid 氏は付け加えます。
DXC は、まずオープンAPI のビジネスケース作成を支援し、次に、3 か月の概念実証(PoC) に対応できる初期バージョンの機能構造を作成しました。2014 年12 月、ベルリンのハッカソンで基本的な機能が開発コミュニティに提供され、その後もDXC チームは、他の複数のハッカソンで追加機能を開発中です。
開発者およびパートナーは、TIBCO Mashery API Management に基づく専用のAPI ポータルからデータにアクセスします。ユーザーとして登録された開発者およびパートナーは、クライアントID と、オープン標準の権限認可 (OAuth) アクセストークンを受領します。TIBCO Mashery のAPI 管理ソフトウェアは、このトークンベースのサービスへのアクセスをブロックしたり、抑制したり、またはフィルタリングすることができます。登録された開発者は信頼できるユーザーと認められると、さらなるデータへのアクセス権が与えられますが、認められていない開発者はパブリックデータへのアクセス権しか与えられません。
APIポータルは、APIのリストと利用のためのガイドを提供しています。フライトスケジュール、発着状況、フライトの状態、航空機の座席マップなどのコアサービスに関する情報をはじめ、都市、国、および空港ラウンジの情報など、その他の付随サービスの情報も利用可能です。将来的にはさらにデータを追加する計画があります。ポータルでは、開発者は簡単に自分のアプリケーションを登録し、それぞれのAPIプランを作成することができるよう設計されています。リソースのテストが可能で、詳細なインターフェイスの説明が記載されています。
このサイトでは、新興企業やデジタル企業を巻き込んで「人々の旅行を進歩させる」ための革新的なサービスを共同で開発しています。Lufthansaの1億人の顧客は、彼らにとっても魅力的な潜在的ユーザーベースとなっています。

「オープンAPI を社外の開発者に提供することにより、Lufthansa の従来のビジネスに影響を与えることなく、新しいアイデアやビジネス機会を生み出すことができます」

Thomas Ramscheid Lufthansa 社 ミドルウェアおよびセントラルサービス シニアマネージャー

ブランド認知度の向上

オープンAPI の最初の特筆すべき社外での使用例がFlightStats.com です。こうしてインターフェイスを使用する開発者が増えるにつれ、他にもさまざまなサービスが生まれるだろうとLufthansa は期待を寄せています。

「公開されるLufthansa のためアプリケーションが増えるにつれ、そのブランド認知度も向上し、Lufthansa は革新的な組織として位置づけられます。」とRamscheid氏。また、次のようにも述べています。

「これらのサービスは新しい市場 ( たとえば、特別なニーズを持つ旅行者に特化した市場など) をターゲットにすることができるので、これが利益の増加にもつながることを期待しています。Lufthansa がこれらの市場に時間や資金を投資することはできませんが、社外の開発者にとっては、これを行うのに適したビジネスケースとなります。当社が彼らをサポートすると、最終的にはそれがLufthansa への予約の増加につながるでしょう。」

「分かりやすく比較すると、90 年代は、すべての人がWeb サイトを持つ必要がありました。現在は、すべての人がオープンAPIを持つ必要があります」

Thomas Ramscheid Lufthansa 社 ミドルウェアおよびセントラルサービス シニアマネージャー

「サービスが増えれば、お客様の旅行体験が向上します。開発コミュニティ間でハッカソンを実施することで、独創的なイノベーションが推進され、我々には考えつかなかった新しいアイデアが生まれます。」
さらに、アプリケーションを使って、お客様の旅行データ、旅行プラン、現在の所在地などを友人やパートナーと共有するようなソーシャルメディアの利用を増やすという目的もあります。API を通じてデータやプロセスを公開することにより、すべてのプラットフォームに向けたサービス、特にモビリティ向けのサービスを開発することが可能となり、Lufthansa 内のイノベーションが加速しました。また、データへのアクセシビリティが共通の標準ポータルにより大幅に簡素化されるため、開発コストも削減されます。
「航空業界の仕事はサイロ化されています。当社のデータをこの方法で公開することにより、他の人々が考えていることがよくわかるようになりました。」とRamscheid 氏は締めくくります。「これによりイノベーションは加速されるでしょう。Lufthansa にもお客様にもメリットが生まれます。」

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