2025/4/21
by Maniyelil, Akhil Kumar 

 

私は現在、DXCテクノロジー・ジャパンのシニアテクニカルコンサルタントとして、ServiceNowを活用したお客様のデジタル化推進をご支援しています。これまで多くの複雑なプロジェクトを経験し、技術的なスキルを磨いてきました。そして次のステップとして、「ServiceNow認定テクニカルアーキテクト(CTA)」の資格取得を目指し、合格することができました。

CTAの取得者はまだ日本国内でも数が少なく、この貴重な経験はServiceNowの活用を推進するコミュニティにおいてきっと役立てられるのではと思い、この記事の執筆に至りました。私のキャリアで得た知識と経験、そしてCTAになるまでの道のりを紹介したいと思います

※本稿の内容は2025年1月執筆時点のものです。ServiceNowより提供される当該資格およびプログラムに関する最新情報を確認してください。https://nowlearning.servicenow.com/expertprograms/en/pages/expert-program?id=snpx_home&type=CTA

ServiceNowのCertified Technical Architect の位置づけ (出典: ServiceNow)

CTAとは

まずは簡単にCTAについてご紹介します。ServiceNowが提供する他のクラスとはまったく異なり、このプログラムは、ServiceNowアーキテクトとして、ServiceNowの幅広い分野の専門知識を身に付け、成長することを目的としています。

CTAプログラムへのエントリー条件

CTAの取得に挑戦するには、ServiceNowおよびServiceNowのパートナー企業の社員、またはServiceNowユーザーのお客様であることに加えて、下記の3つの前提条件が必要です。

  • 最低3年以上のServiceNowのSubject matter expert(当該領域に関するエキスパート)としての経験
  • ビジネス要件をServiceNowプラットフォームケイパビリティで実現した経験
  • Certified Administrator Certification(CAS)、Certified Application Developer(CAD)、その他2つのメインストリーム資格(ITSM、CSM、ITOM、HR、SecOpsなど)を保有

CTAプログラムの構成

  • 3か月間の有償プログラム(英語のみ)
  • プラットフォームの設計やガバナンスに焦点を当て、販売には焦点を当てない(CMAは販売も含む)
  • オンデマンドコースにて各自のペースで学習し、グループワーク(5人)でケーススタディに取り組み(毎週金曜日)、個人あるいはチームでのプレゼンテーションを実施
  • 週1回の小グループでのミーティングと、週1回のバーチャルコラボレーションセッションへの参加が必須
  • コース期間中、各週のトピックに基づいて 2〜3回のプレゼンテーションを実施し、自信を持って伝えるスキルを実践で向上
  • 自分のペースで進められる3つのオンデマンドコースが提供される。プロジェクト管理、アーキテクチャ、技術ガバナンスなどに関する理論のコースと、インスタンスのデータレプリケーションやCSDMなど、設計、構築、単体テスト等を学ぶ実践のコースを受講
  • 最終認定には2つの試験(1つはAIによるビデオ評価、もう1つは他の実装者向け認定試験と同様の筆記試験)を受験

上記の通り、CTA資格取得のためのプログラムは、広範にわたる領域について長い時間をかけて実践も含めて学ぶものであり、相応な努力と集中力が求められます。ここからは、このプログラムに取り組んだ背景や、このプログラムを通して学んだことや、これからCTA取得を目指す方へのアドバイスなどをまとめます。

 

CTAを取得しようと思った理由

 
1. 技術的リーダーシップを発揮したい

これまでDXCでさまざまなプロジェクトに携わり、複雑な要件を解決する経験を積みました。しかし、より大規模で戦略的な視点から技術をリードする力を高める必要性を感じていました。CTAは、ただの資格ではなく、ServiceNowのソリューション設計における最上級のスキルとリーダーシップ能力を証明するものです。この認定を取得することで、私はお客様やチームにとって頼れる技術的なリーダーになれると確信しました。

2. 自分の限界に挑戦し、成長するため

CTA資格取得への道のりは決して簡単なものではありません。ServiceNowプラットフォームの深い知識や幅広い実務経験、そして複雑なアーキテクチャの設計能力が求められます。この難しさこそが、私にとって大きな魅力でした。自分のスキルセットを磨き上げ、より高度な課題に取り組むためのチャレンジとして、CTAの取得は理想的な目標でした。

3. お客様への価値提供を最大化するため

私が関わるお客様は、製薬業界や消費財業界といった多様な分野にわたり、それぞれが独自の課題を抱えています。CTA認定を取得することで、これらのお客様に対してより効果的なソリューションを提供し、ビジネスの成功を支援することが可能になります。また、認定を通じて得られる知識や経験は、より良い提案や問題解決能力につながると信じています。

 

CTA取得の道のりをふり返って・成果

 
CTAを取得してできるようになったこと
  • 複雑な課題の解決:高度な設計やアーキテクチャの知識を活かして、より効率的なソリューションを提供できるようになりました。
  • 自信を持って提案:お客様に対して、根拠のある提案を自信を持って行えるようになりました。
  • チームとの連携:技術面だけでなく、チームとのコミュニケーションがスムーズになりました。
トレーニング中の苦労や、一緒に受けた仲間との交流エピソード
  • 苦労:膨大な知識量を短期間で学ぶのは大変でした。特にガバナンスやセキュリティの部分は難しかったです。
  • 仲間との交流:同じ目標を持つ仲間と情報を共有し、お互いに励まし合えたことが大きな支えになりました。
これから取り組みたいこと
  • チームやコミュニティ全体のレベルアップ:得た知識を活かして、他のメンバーの育成に力を入れたいです。また、知識を社内外に共有し、業界全体の知識レベルの向上に貢献していきたいです。
  • お客様の成功に貢献:より複雑な課題を解決し、お客様のビジネス成功に貢献していきたいと思います。
  • リーダーシップの発揮:CTAとして、業界の方向性をリードし、より良い未来を作っていく一員になりたいです。

 

これからCTA取得を目指す皆様へ

 
CTAを目指しているServiceNowコンサルタントの皆さまへのアドバイス
  • 継続は力なり:難しいと感じても、あきらめずにコツコツと続けることが大切です。
  • 仲間を作る:一緒に学ぶ仲間がいると、モチベーションが保てます。
  • 実践を重ねる:理論だけでなく、実際のプロジェクトで経験を積むことで理解が深まります。
どういう人が取得に向いているか
  • 好奇心旺盛な人:新しいことを学ぶ意欲がある人。
  • 挑戦を楽しめる人:難しい課題を前向きに捉え、成長のチャンスと考えられる人。
  • ポジティブな人:どんな困難にも前向きに取り組める人。
  • 誰でも挑戦可能:ポジティブなマインドセットがあれば、誰でもCTA取得に向いています。あなたにもきっとできます!
CTAプロファイル(出典: ServiceNow)

CTAプログラムでは、毎週の課題をクリアするたびにバッジを獲得します。特にWeek 9のテーマ「インテグレーション(プロトコル、Integration Hub)」では、プレゼンを行い、ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。この成果で追加のバッジも獲得できました。

 

最後に

上記にもまとめましたが、私はCTA資格の取得を通して得た知識を活用して、より多くのお客様の課題解決やビジネスの成功に貢献していきたいと考えています。また、知識を社内外に共有することで、チームやServiceNow活用推進のためのコミュニティの成長にも取り組んでいきます。DXCとServiceNowの今後の進化と貢献に、是非ご期待ください。また、ServiceNowについてお困りの際は、是非ともお声かけください。

 

※ServiceNowおよび関連する製品名称、ロゴは米国および/またはその他の国におけるServiceNow, Inc.の商標または登録商標です。

※本文中の一部の図版・画像はServiceNow, Incが著作権を持ちます。


About the author

Maniyelil, Akhil Kumar (メニイェリル アキル クマール)
シニアテクニカルコンサルタント
エンタープライズ・アプリケーション&SaaS(EAS)事業部

ServiceNowの専門家として10年以上の経験を持ち、英語と日本語(N2レベル)を活用しながら、グローバルな環境で活躍。Webおよびモバイルアプリケーション開発を経て、現在はお客様の課題に寄り添ったServiceNowの導入・開発に注力しています。

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