4年前にも同様の記事を書きましたが、今 DXC Technology の会長兼社長兼CEOとして、最新のニュースを見たり、取締役会や投資家に対して、ビジネスの成長を促進するためのイノベーションに取り組んでいることを説明しようとしている世界中のお客様と接していると、この記事が現在も当てはまることを思い知らされます。
すべてのCIOが、最新の人工知能(AI)と機械学習(ML)テクノロジーに投資して、競争上の優位性の獲得やコスト効率の達成、市場投入のスピードを加速し、全体的なエクスペリエンスを向上させたいと考えています。AIとMLの波に乗り遅れたくないのです。しかし、早く行動しなければならないというプレッシャーが、ビジネス目標の達成を妨げるかもしれません。
多くのCIOがAI/MLの旅に乗り出す際に見落としているのは、この分野での取り組みを効果的に拡大するために、人材戦略をどのように進化させるかという点です。
新しい80/20ルール
DXCでは、機械学習がビジネスにもたらすメリットを最大化するために、80%を実現するテクノロジーと、残りの20%を実現する人材を組み合わせたハイブリッドアプローチを採用する必要があることを学習しています。
今日、多くのソフトウェア製品にAIとML機能が組み込まれており、企業は単にプラグアンドプレイのアプローチに頼ることができるようにも見えます。箱から取り出して、接続すれば、魔法のように機能すると。
しかし、機械学習の真髄、つまりその画期的な性質とビジネスにもたらす価値は、人間の介入なしには実現不可能です。
その好例が、お客様のIT資産を効率的に管理するデータに基づいたインテリジェントなプラットフォーム DXC Platform X ™です。Platform Xは、高度なAIとMLテクノロジー、そして膨大な自動化ボットのカタログを統合していますが、その最適なパフォーマンスを確保するために、当社のエンジニアが仮想の「コントロールルーム」で操作するように設計されています。
MLの仕組み
機械学習を効果的に行うには、まずデータをプラットフォームに送り、クリーニングしてMLモデルを設定し、そしてデータに遭遇するたびにモデルをキャリブレーションする必要があります。データをモデルに通し、継続的にモニタリングし、フィードバックを収集するこのプロセスは、モデルのパフォーマンスを向上させ、正確な結果を生み出します。
これを人間の脳に置きかえて考えてみましょう。人間は、より多くのデータ、経験、そしてそのデータを処理するために蓄積された知恵があればあるほど、思考し、結論を導き出すことに長けています。
MLの「製品ラベル」に書かれていることや、RFP(提案依頼書)に対するベンダーの回答だけに頼っていると、危険な道を歩むことになりかねません。すべてのCIOは、自社にMLを導入する際、3つの重要な成功要因に優先順位をつけるべきです。
1. データのないMLモデルは、ガソリンのない車のようなもの
機械学習モデルを効果的にトレーニングするには、高品質で大量のデータが必要です。このデータは、簡単にアクセスでき、適切な形式で、偏りのない結果を保証するのに十分な多様性を持つことが必要です。
DXCのデータモデルは、60年以上にわたって6,000社以上のお客様の重要なシステムを管理してきた実績に基づいて構築されています。この豊富な経験により、より質の高いデータでモデルをトレーニングすることが可能になり、サービスに影響を与える問題をより迅速かつ正確に認識し、障害の低減につなげることができるのです。お客様は、自社のデータだけでなく、当社の顧客ベースから得られた集合的な知恵からも利益を得ることができます。言い換えれば、私たちのデータ(保護され匿名化された)がお客様のデータとなるのです。
2. 「1度設定したらおしまい」という解決策はない
前述したように、MLモデルは人間の監視を必要とします。ソフトウェアソリューションは時間の経過とともに改善され続けますが、ビジネスにおけるMLの成功は、それを効果的に機能させることのできる熟練した専門家に依存しています。
DXCには、モデルを実験、設計し、構築する専門のデータサイエンティストからなる精鋭チームがいます。世界70カ国にまたがるグローバルなエンジニアリングチームにより、大規模なモデルの展開、モニタリング、監査、最適化が可能です。
当社のエンジニアが持つ重要な能力のひとつは、ML製品や機能の適切な組み合わせを判断する能力です。多くの製品が似たような機能を提供していますが、最適な結果を得るために、いつどこで何を適用すべきかという知識は、実践的な経験と判断をする人間特有の特性が必要になります。
AIとMLは特定の雇用市場を混乱させるかもしれませんが、変化を受け入れる技術に精通した人材にとっては、新たなエキサイティングな機会を生み出すのです。
3. 統合を忘れない
プラグアンドプレイアプローチの見落とされがちな点は、すべての統合を設定するのに必要な労力のことです。グリーンフィールド型の投資をする余裕があるのは、新しいスタートアップだけです。大半の企業は、新しいテクノロジーを既存のテクノロジーと統合するという課題に直面しています。フォーチュン500社の多くは、数千台のサーバー、数百の戦略的アプリケーション、従業員に配布されたエンドポイントデバイスで構成される、広大で複雑なIT資産を所有しています。
DXC Platform Xが優れているのは、この労力の点です。DXC Platform Xは、オープンでモジュール化されたアーキテクチャを採用しているため、お客様のIT投資を活用して、容易な統合と柔軟な導入が可能です。DXCは、統合のために事前に設定されたエンタープライズ企業向けのSaaSプラットフォーム、すぐに活用可能なMLモデル、ハイパーオートメーション資産のカタログ、そしてすべての要素をシームレスに接続する経験豊富なエンジニアによって、大きな労力を軽減します。
まとめ
AIとMLの革命は間違いなく加速し続け、あらゆる業界の進歩を促進するでしょう。DXCは、お客様と従業員の成功のために、新たなテクノロジーを評価して適用し、その最前線に立っています。
AIやMLの進歩のために、何を選択して購入、構築するにしても、どのパートナーと提携するにしても、どのような戦略をとるにしても、MLそのもの以上に高品質なデータ、適切な人材、そして総合的な統合戦略を優先しなければならないのです。
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